土地を持っていない人が一戸建てを新築する場合、当然ですが土地から購入する必要があります。
宅地は、立地や土地の形、法令など等の制限の中で選ばなければいけない為、そう簡単には理想の土地は見つかりません。簡単には見つからないだけではなく、安易に選んだ結果、重大な失敗に繋がったという人もいらっしゃいます。
また、予算の関係で希望の立地から外れた場所を選ばなければならないケースもあります。
土地選びのポイントは、まず第一に瑕疵が無いことです。さらには、相場からかけ離れた金額で買って損をしないように相場を知ることも必要です。
この記事では、最低限抑えておきたい土地選びのポイントを解説します。
目次
まずは相場を抑えましょう。


→家を建てる流れと期間は?正しい家作りノウハウ!の記事で解説しましたが、土地選びで大切なことは、相場感を養うことです。
おさらいになりますが、土地を購入する方法は3つあります。
- 不動産屋の仲介物件
- 建築会社の建築条件付売り地
- 売主から直接購入
不動産屋の仲介物件
不動産屋が仲介に入っている場合、売主とのトラブルは少ないものの、建築に関して素人の不動産屋は細かい制限等お構いなしにゴリゴリ営業してくる場合があるので注意が必要です。
理想の間取が建築できるのか?建ぺい率、容積率、各種斜線制限、団地内協定など等、各種制限について建築依頼予定の工務店へ必ず相談してから購入を決めましょう。
建築会社の建築条件付売り地
建築会社は、宅地造成した土地へ建築条件付で宅地を販売しています。
造成地のメリットは、立地が良い、周辺関係の環境が良い、同世代の家族が多い、土地の形が良い、など等、沢山のメリットがありますが、デメリットは、建築会社が限定されてしまうことです。
間取よりも、設備よりも、家の雰囲気よりも、なによりも最も優先する項目が”立地”という人にはぴったりの購入方法ですが、別の工務店を検討している人には、絶対に手に入らない土地になります。
また、建築条件付の土地は、坪単価が安い場合がありますが、建築費を含めたトータルの金額で安い訳ではありません。ご注意下さい。
売主から直接購入
売主から直接購入する場合は、相場よりも安く購入できる可能性があります。ですが、後々のトラブルを避けるために、どちらにしても工務店への相談と不動産会社への仲介を依頼した方が無難です。
不動産ポータルサイトを活用しよう。
暇な時間は、不動産情報サイトを眺めて、地域の土地情報をチェックしましょう。
→SUUMO
→タウンライフ不動産売買
→アットホーム
→ホームズ
気になる土地は実際に見に行こう
不動産情報サイトから気になる土地は出来る限り見に行くようにしましょう。
不動産屋の営業が面倒というデメリットがありますが、基本的に不動産屋が言うことはスルーします。不動産屋が悪徳とかそういう話しではなく、まずは勉強というつもりで見る数をこなしましょう。
現場を見に行くと、魅力的な営業トークで”ここしかない”と感じてしまうことがあるかもしれません。
本当に魅力的な土地の可能性があるので厄介なのでが、基本的に即決して成功するよりも失敗してしまう可能性が圧倒的に高いという事を認識しておきましょう。
こんな言葉にはご注意
- 他のお客様から買い付けが入りそうです。
- 人気地区なのですぐに買い手がつきます。
- 中々出ないラッキーな土地です。
- これだけ条件が揃った土地はまず出てきません。
- キャンセルできますので取り合えず買い付け入れて下さい。
- など等・・・
上記を文章にすると、あからさまな営業トークで、こんな言葉に引っかかる人がいるのか?と思うでしょうが、魅力的に見える(見せかけた)土地を目の前にして心を揺さぶられる言葉を投げかけられると、”買わなきゃ!”と冷静さを欠いた行動をしてしまいます。
気に入った土地は、時間帯を変えて見に行く。
現地確認をして気に入った土地は、何度も曜日や時間を変えて見に行きます。
- 朝の雰囲気はどうなのか?
- お昼の雰囲気はどうなのか?
- 夜の雰囲気はどうなのか?
- 平日の雰囲気はどうなのか?
- 日曜日、祝日の雰囲気はどうなのか?
朝昼晩、平日、祝日に曜日や時間を変えて、何度も足を運びましょう。時には、ご近所を散歩してみるのも良いでしょう。子どもさんがいらっしゃる場合は、小学校や中学校までの通学路を実際に歩いてみましょう。
現地を見に行く時には、ご近所さんはどんな人が住んでいるのか?時間帯で違いがあるのか?出来るだけ注意深く観察しましょう。
一目ぼれで即決して大失敗した2人の知合の話しをご紹介します。
爆音が響く土地だった・・・
住んでみてびっくり、飛行機が超低空で飛び回り、とてつもない轟音が鳴り響く最悪の土地を買ってしまった失敗談です。
失敗ポイントは、祝日に1回見に行っただけだったこと、値段がかなり安く魅力的だったこと、他に購入希望者がいると聞いて焦ってしまったことです。
ある季節だけ悪臭が・・・
近所のゴミ処理施設から、なぜかある期間だけ匂いがとんでもなく香ってくる最悪の土地だった。
その期間は、間違っても窓など開けられません。家の外に数分いるだけで一日げんなりした気持ちになり、生きる気力を奪われているかのような感覚です。
一定期間だけのことですから購入前に見抜くのは難しかったのかもしれませんが、極端に値段が安かったことや、安いのに長期間売れていなかった事から、”何かあるのでは?”と慎重になるべきでした。


地盤の状態はどうですか?
土地は素人目では、とてもキレイで強そうに見えても、とんでも瑕疵が隠れている場合があります。
例えば、
- 廃材やゴミを埋め立ててあり地盤が不安定
- 土地が液状化している
- 汚染されていて有毒物質が検出される
上記は極端な例ですが、地盤の状態を出来るだけ調べて購入しましょう。地盤調査は5万円程度から可能です。実費にはなりますが、不安な方は調査した上で購入しましょう。
新築工事を依頼予定の工務店へ相談して納得がいくまで調査をしましょう。親身に相談に乗ってくれる工務店であれば良いのですが、あまり良い返事をしない工務店であれば、そもそもその工務店へ依頼することが間違いかもしれません。
まとめ
土地選びが上手くいけば家作りの80%は成功したようなものだ!
この言葉は、有名な人ではなく知合いが言った言葉ですが、80%成功とは思いませんが、例えとしてはそれぐらい重要だと思っています。
震災で”へーベルハウス”だけが無事だったと話題になりましたが、へーベルハウスだから無事だったとは思っていません。たしかに、耐震、免震、制震対策は万全だったのだろうとは思いますが、それ以上に地盤の状態に左右されたのではないかと考えています。
土地選びは、非常に根気が必要です。途中で妥協したくなる気持ちも分かります。ですが、地盤の状態等は絶対に妥協してはいけません。
何を妥協し何を妥協してはいけないのか?!改めて考えるきっかけになれば幸いです。