親から土地を相続すると、土地も財産の一部とみなされ「相続税」の課税対象となります。
ケースによっては相続税が高額になることもあるため、「もし払えなかったら・・・」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。また、相続した土地を売却する場合は「譲渡所得税」の課税対象となるため、土地の相続は常に納税と隣り合わせです。
ここでは、相続が発生する前に税金の種類を知って対策を立てたいという方のために、相続税のしくみや、高額な税金が発生する条件などについて解説します。

相続税のしくみ
相続税は、相続した財産の総額に対して課せられます。そのため、土地を相続した場合も、土地の評価額が財産の一部に加わります。

ただし、相続財産からは以下の費用は差し引いても良いことになっています。
財産から差し引かれるもの
- 債務:銀行の住宅ローンの未払い分の利息、未納の税金、未払い分の医療費など
- 葬式費用:埋葬や納骨費用、遺体の運搬費用、お通夜の費用など
- 非課税財産:仏壇、お墓、葬式用の祭具、国や地方公共団体などに寄付した財産、生命保険金、死亡退職金など
これらの費用を差し引いた金額から、さらに基礎控除額を差し引いた金額が、相続税の課税対象となり、基礎控除後の遺産総額を法定相続人の人数や割合に応じて計算して、最終的に相続税の税額が確定します。
土地の相続税評価額の計算方法
相続する財産の中に土地が含まれている場合は、土地の相続税評価額を調べておくと良いでしょう。土地の相続税評価額は、路線価方式で求められます。
路線価とは、国税庁が公示している、主要道路に面した土地の平方メートルあたりの評価額のことです。
路線価は国税庁のホームページで調べることができます。
路線価図・評価倍率表
土地の面積×路線価=相続税評価額
ただし、最終的な評価額は、土地の変形率や、道路に面した間口の広さなどに応じて補正したものになります。そのため、上記の計算で求めた評価額は、あくまでも概算とお考えください。
また、路線価が設定されていない地域では、「倍率方式」で相続税評価額を計算します。
固定資産税評価額×倍率=相続税評価額
各土地の倍率は、さきほどの国税庁の路線価を掲載しているページに併せて記載されています。
固定資産税評価額は、被相続人の死亡年のものを使わなければ、古いデータを使ったために相続税評価額が高額になる恐れもありますのでご注意ください。
土地を売却すると譲渡所得税が発生する
通常、土地を売却して得た売却益は、譲渡所得税が課せられ、相続した土地を売却した場合も同様です。
しかし、相続税の納付期限である「相続発生時点から10カ月~3年以内」に土地を売却していれば「相続財産を譲渡した場合の特例」が適用され、納めた相続税の一部を売却した土地の取得費用に加算することができ、譲渡所得税を節税することができます。
ただし、相続税の申告期限までに土地を売却していなければこの特例を受けることはできません。
※譲渡所得税や、相続財産の譲渡の特例については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→相続した土地を売却するときの、税金の計算方法や特例について
まとめ
土地を相続すると、必ず「相続税」が発生し、土地を売却した場合は「譲渡所得税」も発生します。これらの税金を慌てて準備する必要がないよう、相続税の計算のしくみや、土地の相続税評価額の計算方法は、前もって知っておくことをおすすめします。