あなたが頼もうとしている工務店は本当に大丈夫ですか?
実際に合った失敗談をご紹介します。
リフォーム失敗例~2千万円超え~
そのご自宅は、築17年の2×4の3階建ての立派な建物でした。
リフォームの内容は、
- 外装板の張替え
- ホームエレベーター新設
- 2階、3階の間取変更
- 各階床材変更
外装張替えやホームエレベーター新設、間取変更は、それなりに高額なリフォームです。お施主様は少しでも安くしようと複数社に見積もりを依頼しました。
そのなかで数百万安く提示してきた会社がありました。数百万も安くなるならと喜んで契約したそうです。
この契約がそもそもの間違いの始まりです。さらにお施主様はとんでもない失敗をしてしまいます。着手金として2千万円を支払ってしまったのです。
この工務店は家族経営で社長と息子が現場監督の役割を担い、下請けの大工に施工させるというスタイルです。息子は仕事が出来ないことが有名で、そもそも建築のことなんて全く分かっていない素人です。
現場が始まりました。建築素人の息子ですが、現場に入っている大工は建築のプロです。なんとかリフォーム工事が進んでいます。最初こそ順調に見えましたが、監督がダメだと絶対に良い家はできません。
材料の段取りが悪く、大工が手待ち時間が多くなります。大工の給与は基本的に日当ですから、手待ち時間が長ければ長いほどお金が掛かってしまいます。
数ヶ月が経過した頃、着手金2千万円受け取っているはずなのに、大工やその他業種への支払いが遅れだしました。現場が始まって数ヶ月が経ち、1社目の大工が現場から去りました。
お施主様も困っていましたが、この時点では、お施主様はまだ信頼しているようです。2社目の大工が決まり工事が進むと思いましたが、2社目の大工も未払いの噂を聞きつけ現場を去ります。
それから2ヶ月ほど現場は放置されました。その頃、たまたま知合いだった私へお施主様から電話がありました。
施主:連絡が取れないんだけど、○○○工務店を知ってる?
私は、付き合いがある建材店へ尋ね色々と話しを聞きました。息子は、「現場は問題ない!来週から再開する」と言っているそうです。
翌週、新たな大工を引き連れ工事が再開されましたが、別の問題が発生します。
建材店、材木店、その他業者が取引停止しました。
結局、その工務店は工事を完了させることができず、お施主様は、工務店を訴え裁判することとなりました。
お施主様は、やりかけの家に住みながら、裁判をやりながら、別の工務店へリフォームを依頼。予定していた倍の時間とお金を支払う結果になりました。
ここまでの失敗は稀に見る大失敗です。
極端な例にはなりますが、失敗してしまう可能性は誰にでもあることが分かります。

マイホーム新築でまさかの失敗
そのお宅は、道下に土地があり、2階を玄関にする予定でした。
土地自体も接道していて、そのまま建築しても問題の無い土地でした。1期工事で家を建て、2期工事で2階玄関と道路をつなぐ工程です。
着工から順調に建築が進み、無事1期工事は終えました。その後、2階玄関を道路とつなぐときに問題が発生しました。
詳しくは私も分かりませんが、法的に2階玄関と道路をつなぐことができなかったそうです。
※法的なのか?それとも、他人の土地だったためなのか詳しくは分かりません。
お施主様は大激怒しました。
「最初に大丈夫って言ったからココに決めたんだぞ」「金は払わない」「土地代金を返してくれ」
お施主様がお怒りになるのもごもっともです。
リフォームの失敗例にしても、お施主様が悪いのではなく工務店の責任です。
それでも、そんな工務店を選んでしまったのは自分の責任です。
裁判してお金が戻ってくれば良いのですが、工務店が破産したらお金が戻ることはないでしょう。
失敗しない為に必要なこと・・・
ここまでの大失敗はさすがに珍しいケースですが、もっと小さな失敗は沢山あります。
実際に聞いたクレームの内容は、
- 床、腰壁が無垢材なのに、ソフト幅木を利用してクレームになった案件
- ビス代をケチってボードにビスを最小限しか打たない大工
- 材木の乾燥材を使うと言っていたのに、みずみずしい生材を使う工務店
- 勝手に妻飾りのデザインを決めてしまう大工
- 静かな土地と聞いていたのに爆音が響く地域だった案件
- 承諾なしに追加工事代を請求して揉めた案件
- リフォーム直後から結露してカビが発生した案件
ご紹介した失敗例はごく一部で、実際にはまだまだ沢山の失敗談を耳にします。
せっかく高額なお金をかけて工事するので絶対失敗したくないですよね。
では、どうすれば新築やリフォームを成功させられるのでしょうか?
ある程度の知識を身に付け自己防衛するしか方法はないのではないかと思います。
安いリフォームには安いなりの理由があります。
工務店は、取引量に応じて材料仕入れに価格差があり、経費も各社によって異なります。
複数社の見積りを比べるときは、なぜ安いのかを調べる癖をつけましょう。
住宅設備機器のグレードを落したのか?安い建材品を使っているのか?企業努力で極限まで値段を落しているのか?それぞれの見積りを比べて、安くなる理由を確認します。その理由が納得がいく内容であれば問題無いと思いますが、妥協できない内容であれば、同条件で見積りを取り直しましょう。
同じ商品、例えば、クリナップのラクエラを仕入れるとして、定価の25%で仕入れる工務店もあれば、定価の40%で仕入れる工務店もあります。
新築の場合は、3000万円~5000万円と高額になることが多いので、数百万円違うということもありますが、リフォームで百万円単位で金額が違う場合は、注意が必要です。