TOTOが爆発的人気です。TOTOの人気の理由やビックベン・リトルベンのCMに引き込まれる理由とは何でしょうか?
同じ住宅設備機器メーカーでも各社プロモーションに特徴があって面白いです。ここ最近のTOTO人気の火付け役になったのは、ビックベン・リトルベンのCMですが、商品が優れていなければヒットは起こりません。
一方でTOTO商品を批判する人もいます。その批判の内容のご紹介と客観的立場での反論をご紹介します。
目次
ビックベン・リトルベンのCMがウケた訳とは?


人の感情を手っ取り早く揺さぶる方法に「認知的不協和」という心理テクニックがあります。
意外性があるものを見た聞いたときに、感情が大きく動きますが、動いた感情を通常の状態に戻そうとする働きの事を認知的不協和と言います。
簡単に言えば、「ギャップ」です。
例えば、スペースワールド閉園のCMですが、オープンから27年間の思い出を語る悲しいCMかと思わせて、「なくなるヨ!全員集合!!」とユニークな内容になっています。
スペースワールドの例だと、閉演への悲しさと明るいユニークなテンションへのギャップに感情が大きく動き、その動いた感情を通常に戻そうとする動きに面白さを感じます。
これは、”面白い”という感情だけでなく、悲しい、怖い、寂しい、など等の感情も同じ原理で起こります。
ビックベン・リトルベンのCMの場合を考えて見ます。
まず、キャラクターですが、ベン親子は「菌」です。あんなに可愛い子が菌であるという事に小さなギャップが生まれます。また、菌を退治する様子を表現する場合、一般的にはキレイ除菌水側の視点でストーリーを作る訳ですが、このCMの場合は、菌側の視点で除菌水を解説しています。
リトルベンのセリフには、幼さと菌故の悩みと人間への憧れが詰まっています。
「僕はこのトイレが大嫌いです。このトイレは、人がいない時間でも勝手に除菌を始めます。・・・・」
「僕は人間じゃないんだ・・・」
気づく必要もないことですが、こういったギャップを作ることで、リトルベンの可愛さとTOTOトイレの商品価値がより一層引き立っています。
ストーリーと焦らしの関係性
可愛さと機能を引き立たせることに成功した後は、「焦らし」の要素が加わります。
焦らす為には色々なテクニックが使われますが、一つの手法として「続き物」にする方法があります。
凄く気になるという訳ではありませんが、続き物のCMは何となく心に残りやすく、続きを期待してしまうものです。
例えば、ソフトバンクのCMは「認知的不協和と続き物」で大ヒットしています。
TOTOのビックベンとリトルベンも色々なパターンのCMを作ることで続き物としての要素を満たしています。最初はトイレのCMでしたが、ヒットの後、ユニットバスsazanaのCMも始まりました。
菌とユニットバスの関連性を考えた場合、関係なくは無いけど、トイレと比べると関連性が落ちます。ですが、既にリトルベンというキャラクターが大衆に認知されているから簡単に受け入れられるし、高い評価が得られるのです。
ほっカラリ床は、リトルベンが説明するだけで、商品価値が抜群に高まります。これがプロモーションの効果であり、TOTOのヒットの火付け役になった理由です。
TOTO批判のご紹介とその反論を考えてみる
TOTOの人気が高まる一方で、批判的な意見を言う人も増えています。
単なる「やっかみひがみ」の場合もありますが、もっともらしい意見に聞こえる場合があるので注意が必要です。
批判1、ほっカラリ床の目地は乾かなくなる
ほっカラリ床は、柔らかい、ひやっとしない、水が乾きやすいがウリです。
それに対する批判的意見は、「目地には汚れが溜まりやすく水はけが悪くなる」
この意見に対する私の考えは、確かに目地には汚れが溜まり水はけが悪くなります。ですが、どのメーカーでも同じです。どのメーカーのユニットバスでも目地には汚れが溜まりますし、水はけが間違いなく悪くなります。
TOTOのほっカラリ床だけが特別汚れる訳ではなく、どのメーカーを採用しても日々の掃除が大切ということです。
水が乾きやすい=掃除が不要と考えているのであれば、大きな間違いです。また、誤解させてしまうような説明をする工務店や販売店がいた場合には注意が必要です。
TOTOのキッチンはダメだ!
TOTOのシステムキッチンだけには負けたくない!
確かにTOTOのキッチンには目立った特長もなく、ランク的に言えば、クリナップのラクエラと同等程度かと思っていました。ですが、TOTOのシステムキッチンにキレイ除菌水が採用されたことでTOTOらしい特徴が追加された考えています。
TOTOのシステムキッチンをお勧めするという話しではなく、除菌水が採用されたことで、TOTOらしさはあると思っています。クリナップならステンレス、タカラならホーロー、TOTOはキレイ除菌水というイメージです。
クリスタルカウンターもTOTOの特徴の一つです。
●こちらもご参考下さい。
→totoのシステムキッチンのミッテとクラッソの違いは?【値段や特徴】
まとめ
この記事では、「認知的不協和」について、TOTOのプロモーションを例に解説しました。
世の中には様々なマーケティング手法が溢れかえっています。分かっていながらも希少性、緊急性の原理にやられてしまう消費者、分かってはいるけど、社会的証明に安心してしまう消費者など等。
人間の感情が揺さぶられるタイミングを意識して生活していくと、なぜこの営業マンはこのような言い回しをするのか?この店舗は何を狙っているのか?この映画はどの部分が複線(焦らし)でどの部分で感情を動かそうとしているのか分かるようになります。
営業マン等は無意識に心理技術を使っているケースもありますが、ちょっとしたことを知るだけで、不必要な購入・契約から身を守ることができるのではないかと思います。
お勧め書籍のご紹介
現代広告の心理技術101
価格2,980円
著者:ドルー・エリック・ホイットマン
ニューヨークの大手広告代理店が使用しているお客様が買わずにはいられなくテクニックが解説されています。売る側の視点で書かれていますが、消費者視点で読んでも面白い内容です。
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